11月11日「ベースの日」|The Bass Day
2021/11/13
毎年11月11日は「ベースの日」ということで、好きなベーシストのアルバムを紹介します。
Paul McCartney / ポール・マッカートニー
ポール・マッカートニーは、ビートルズという偉大なグループと共に、ポピュラー音楽史に大きな功績を残しましたが、楽曲や歌だけではなく、優れたベーシストでもあります。
The Beatles / Rubber Soul
「ラバー・ソウル」というタイトルは、黒人のブルースミュージシャンがミック・ジャガーのブルースを「プラスチック・ソウル」と揶揄した話を聞き、「プラスティックよりラバー(ゴム)で行こうぜ」ということになったそうです。
ビートルズ初期の頃から、ブラックミュージックを意識していたポールですが、アルバム1曲目「ドライブ・マイ・カー」は正にモータウンのベースラインです。
イントロから歌に入る所のリズム、ベースとギターのリフ、その上に乗るボーカルパートの旋律とハモリが尋常ではないなど、今までにはないファンキーでグルビーなサウンドです。
この頃からカール・ヘフナーだけでなく、リッケンバッカー4001Sも使い始めました。
Jaco Pastorius / ジャコ・パストリアス
ジャズ・フュージョン系のエレキベース奏者と言えば必ずこの人の名前が出てくるでしょう。
比類なきベース奏者であり、人工ハーモニクスやメロディアスなフレーズ、コード等々、ベースパートの枠を超える革新的な演奏を次々と生み出しました。
ジャコのベースは、1962年製のフェンダー・ジャズ・ベースに1960年製のジャズ・ベースのネックをセットし、フレットレスに加工されています。
コシと粘りのある豊かな音色で、抒情的に歌ったり、グルーブ感と切れ味のあるウォーキングベースを聴かせてくれます。
Weather Report / Heavy Weather
この「ヘヴィ・ウェザー」は、どの曲も外せない素晴らしいアルバムですが、ラストを飾る「ハヴォナ」は、あり得ないほどの凄い演奏にため息がでます。
楽曲の提供もジャコによるもので、ベースプレイ以外の才能も発揮しています。
Chris Squire / クリス・スクワイア
イエスのベーシストとして、結成から2015年に亡くなるまで唯一のオリジナル・メンバーとして活躍しました。
リッケンバッカー4001のクリアーで硬い音は、ドラマチックで美しいイエスサウンドには欠かせない存在です。
Yes / Fragile
邦題「こわれもの」のラスト曲「Heart of the Sunrise(燃える朝やけ)」の抒情的な中間部では、まるでベースソロのように弾いていますが、歌を邪魔することなくシンセとギターとのアンサンブルとして美しく調和してします。
まるでリード楽器のように主張しながらもベースの役割を果たし、楽曲の美しさをしっかり支えているのは、ヴォイシングやアンサンブルの能力に長けているのでしょう。
Stanley Clarke / スタンリー・クラーク
スタンリー・クラークと言えば、「スクール・デイズ」以降のソロやリーダーアルバム、ジョージ・デュークとのプロジェクト辺りが有名かもしれませんが、私は70年代の「リターン・トゥ・フォーエヴァー」が好きです。
Return to Forever / No Mystery
「リターン・トゥ・フォーエヴァー」は、チック・コリアが率いるフュージョン・バンドで、このアルバム「ノーミステリー」は1975年のリリース。
まだ若いチック・コリア、アル・ディ・メオラ、スタンリー・クラーク、レニー・ホワイトの、完成度よりも勢いを重視するような、枠にはまらない伸び伸びとした演奏が聴けます。
1曲目「Dayride(デイライド)」は粗削りですが、「こんなのどう?」みたいに仕掛けてくる感覚があり、メンバーがチャレンジしている様子が伝わってきて、聴いていて楽しい曲です。
John Paul Jones / ジョン・ポール・ジョーンズ
レッド・ツェッペリンのベーシストであるジョン・ポール・ジョーンズは、ツェッペリン加入前から既にアレンジャーやセッションマンとして活躍していました。
もしかしたら、くせの強い他のメンバーをまとめる役割も果たしていたかもしれません。
演奏スタイルは目立たず堅実な印象ですが、確かな技術とセンスの光るプレイが随所に見られます。
Led Zeppelin / Led Zeppelin I
ファーストアルバム「Led Zeppelin I」は、36時間のスタジオ・ワークで完成したと言われています。
オープニング「Good Times Bad Times」は私のお気に入りで、ジョン・ボーナムの驚愕のドラミング、ジミー・ペイジのごきげんなリフ、そしてブレイクの度に差し込んでくるジョン・ポール・ジョーンズの細かなベースラインがただ者ではない風格を醸し出しています。
ジョン・ボーナムとジョン・ポール・ジョーンズのリズム隊が、レッド・ツェッペリンの屋台骨であることが良く分かります。
こちらの記事も併せてどうぞ
アートとしてのアルバムジャケット:女性ベーシスト編